MLM(マルチレベル・マーケティング)とネズミ講の違いをやさしく解説|比較表・注意点・相談窓口つき

ネットやSNSで
「スマホひとつで誰でも稼げる!」
「少資金で始められる」
「仕組み化で不労収入」
などの甘い誘いを見かけることがあります。
一見すると魅力的に見えますが、「これって本当に安全なの?」と感じる人も多いはずです。
ここでは、
MLM(マルチレベル・マーケティング=連鎖販売取引)と、
ネズミ講(無限連鎖講)
の本質的な違いを、法律上の位置づけと実務的な見分け方に絞って解説します。
最後に、勧誘されたときのチェックリストと相談窓口も載せておきます。
目次
MLM(連鎖販売取引)とは?
MLM(マルチレベル・マーケティング)=連鎖販売取引は、
商品やサービスの販売を前提に、会員が販売や紹介を行い、その実績に応じて報酬が支払われる仕組みです。
日本では特定商取引法の規制対象で、勧誘前に「概要書面」提示、契約後に「契約書面」交付などの義務があります。消費者保護の観点から、クーリング・オフは20日(連鎖販売取引)と定められ、書面または電磁的記録で行えます。
ネズミ講(無限連鎖講)とは?
ネズミ講(無限連鎖講)は、
実体ある販売や役務提供よりも、会員拡大そのもので金銭を得る仕組みです。
新規会員を無限に勧誘することを前提とし、構造的に破綻することが避けられないため、
法律で禁止されています。
開設・運営・勧誘行為自体が違法で、刑事罰(懲役・罰金)の対象になり得ます。
一目でわかる比較表
項目 | MLM(連鎖販売取引) | ネズミ講(無限連鎖講) |
---|---|---|
基本構造 | 商品・サービスの販売に基づく手数料・ボーナス | 会員拡大自体で金銭を回す(持続不能) |
法的位置づけ | 特定商取引法で厳しく規制(要件を満たせば合法) | 違法(開設・運営・勧誘が処罰対象) |
収益の源泉 | 商品の販売・消費・継続利用(実体あり) | 新規会員からの拠出金・紹介料が中心(実体乏しい) |
広告・勧誘 | 誇大表示・不実告知は禁止。概要書面・契約書面の交付義務 | 特定の投機性・確実性を強調しがち(違法勧誘の温床) |
クーリング・オフ | 書面受領から20日以内(書面・電磁的記録で通知) | 制度の対象外(違法行為のため) |
必要書面 | 概要書面(勧誘前)+契約書面(契約後)(電子交付可) | — |
リスクの質 | 在庫・継続費用・関係性トラブル等(法令順守が鍵) | 刑事・民事上の責任、金銭被害、社会的信用の失墜 |
ネットやSNSで見かける「勧誘」の見分け方
- 収益の根拠が「販売」か「勧誘」かを最初に確認。販売実績や顧客リピートが説明できない場合は要注意。
- 「必ず儲かる」「不労で放置OK」など確実性を強調する表現は危険サイン。
- 概要書面を提示しない/契約書面を交付しない勧誘は論外。
- 初期費用・在庫負担・月額費など総コストを具体的に示さないのも赤信号。
勧誘されたときの安全チェックリスト
- 書面を必ずもらう:勧誘前の概要書面、契約後の契約書面(電子交付可)。口頭説明だけはNG。
- クーリング・オフ:連鎖販売取引は20日以内。書面または電磁的記録で通知し、発送控え・スクショなど証拠保全を。
- 報酬明細を確認:自分の販売に対する報酬か、下流の勧誘人数に偏っていないかをチェック。
- 支出と回収の計算:初期費用・在庫・月会費・ツール代を合算し、何件販売すれば損益分岐かを紙に書き出す。
- 家族・第三者レビュー:熱量が高いうちに契約しない。一晩寝かせて、身近な第三者に見てもらう。
困ったらすぐ相談(全国共通ダイヤル)
188(いやや):最寄りの消費生活センターにつながる全国共通の消費者ホットラインです。契約前後の不安や、強引な勧誘・書面不交付・クーリング・オフ手続きなど、匿名相談も可。
平日昼間に電話しづらい場合は、各自治体センターのメール相談やチャット窓口も活用してください。
まとめ
- MLM(連鎖販売取引)は「厳しい規制の枠内での販売モデル」。ネズミ講は違法で、そもそも比較対象外。
- まずは収益の源泉が「販売」か「勧誘」かを見極め、書面の有無と20日のクーリング・オフを忘れない。
- 不安があれば188へ。ひとりで抱え込まないのが最短の自衛です。
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周囲で勧誘に困っている方にも、188の窓口を教えてあげてください。
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